湘南の森の植物です


ヒメオドリコソウ

2010年2月10日

シソ科 オドリコソウ属
ヨーロッパ原産の帰化植物。二年草。 明治期に東京で確認されている。
日当たりが良いところでは、葉が赤みを帯びる。 早春から淡紅色の花を咲かせる。
自生種のオドリコソウは多年草で、 雰囲気はかなり異なる。




イボタノキ

2010年2月10日

モクセイ科 イボタノキ属
山野に良く見かける落葉低木。
葉は互生し、長さ2〜7cmの長楕円形。
5〜6月に、枝先に白い花を咲かせる。 花は筒状の合弁花で、先端が4裂し、雄しべが2本ある。
秋に楕円形の黒紫色の果実となる。
樹皮に付くイボタロウムシの分泌物から、家具などを磨くイボタロウをとる。
ウラゴマダラシジミの食草。




アオキ

2012年2月25日

ミズキ科 アオキ属
常緑低木。
和名の由来は、常緑で枝も青いため。 日本原産。日陰にもよく育ち公害にも強い。 冬の落葉樹林内や常緑樹林の林縁で盛んに光合成する。
雌雄異株で、この時期に実がついているのは全て雌株。
上の写真で、 赤い実に傷がついているのは、ヒヨドリが味見をした痕ということだ。
下の写真で、実が丸くならず、いびつな形になっているのは、 アオキミタマバエが寄生してできた虫えい(アオキミフクレフシ)だ。 虫えいができると、緑のままで冬を越すといわれるが、 写真では少しずつ赤みがついてきている。


イタビカズラ

2012年2月25日

クワ科 イチジク属
常緑つる性木本。雌雄別株。
よく分枝し、枝から気根を出して、崖や岩場、樹木などに 絡みつく。
枝や葉を折ると白い乳液が出る。
樹皮は黒褐色。葉は互生。披針状長楕円形で先端が尖る。 葉縁は全縁、無毛。葉脈が裏面伊浮き出る。
6〜7月に、葉腋に花嚢を1〜2個つける。
イチジクをずっと小さくしたような果実(果嚢)は直径1cmで、 秋に緑色から黒紫色に熟す。


イヌビワ

2012年2月25日

クワ科 イチジク属
別名 イタビ
暖地によく見られる落葉低木。小枝を傷つけると白い乳液が出る。 木肌は白っぽい。 雌雄異株。
冬に果嚢をつけているのは雄株で、 この中にイヌビワコバチの 卵が産み付けられている。


ウバメガシ

2012年2月25日

ブナ科 コナラ属
常緑広葉樹。
和歌山県の県木。
自生のものは神奈川県では 絶滅危惧IA類。 写真のものは植栽。
材が硬く、備長炭の原料として知られる。
ウバメは姥目(芽)の意味で、 芽出しの頃の若葉が茶色をしており、お歯黒に用いたためとする説がある。
4〜5月に開花し、翌年秋にドングリができる。


ウラジロガシ

2012年2月25日

クワ科 イチジク属
ブナ科 コナラ属 常緑高木。
枝はよく分岐する。 葉は互生して、薄い革質、形は披針形から狭い楕円形で、 先はやや長い尾状。 葉の裏側は粉白色(これが和名の由来)、葉縁は鋸歯状。 よく似たシラカシにくらべると、鋸歯や葉先が鋭く尖っていること、 葉の縁が波打っていることなどで区別できる。
花は5月頃、ドングリは翌年の秋にできる。
日本民間薬の代表の一つで、結石症に用いられることがある。


オオバイボタ

2012年2月25日

モクセイ科 イボタノキ属
半常緑低木。 オオバイボタの葉はイボタノキよりも葉先がとがり、葉全体につやがある。 葉が対生につくので、ネズミモチにも似て見えるが、葉質が薄い。
6〜7月に白い花が咲き、秋に球形で紫黒色の果実ができる。
ウラゴマダラシジミの食草


オニシバリ

2012年2月25日

ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属
別名 ナツボウズ
林下に生える落葉小低木。 高さ1mほどになる。
枝は灰茶色で太く、強靭である。 樹皮で鬼でも縛れるので、オニシバリ。
葉は秋に伸びて冬を越し、 夏に落葉するので、ナツボウズ。
花はジンチョウゲに似た形で、黄緑色。 雌雄異株。雌株は広楕円形で赤熟する実をつける。


カキドオシ

2012年2月25日

シソ科 カキドオシ属
別名 カントリソウ(癇取草)
多年草。
茎は長く横に這い、垣根を通して進入してくることがカキドオシの 名前の由来となっている。
丸い扇型の葉は、縁に鋸歯があり、対生する。 葉を揉むと良いにおいがする。
開花期は春(4〜5月)。薄い紫紅色で斑点がついた唇形花。 全草を陰干しにしたものを生薬(しょうやく)で、連銭草(れんせんそう)といい、 糖尿病治療の民間薬として知られている。
別名は、子供の、かんを取り除く薬ということから。





キジョラン

2012年2月25日

ガガイモ科キジョラン属
つる性の多年草。有毒。
葉は対生し、卵円形で大きく、基部は円脚か浅い心脚、 全体としてはややハート形に近くなる。 葉の表面は深緑で、無毛、少しつやがある。
秋に花が咲き、翌年の秋遅く楕円形の果実が熟す。 12月頃果実が割れると、中から毛のついた種子が現れる。
キジョランの名は、毛が果実から飛び出す様子を、 髪をふり乱した鬼女の姿にたとえたもの。
長距離移動することで知られているチョウのアサギマダラの食草とされる。 参考写真は、キジョランの葉の裏でみつけたアサギマダラの幼虫。


クサギ

2012年2月25日

クマツヅラ科 クサギ属
落葉小高木。
葉を落とした冬のクサギは、 冬芽が暗赤色の毛に覆われている。 葉痕は半円形〜ハート型で隆起している。


シマテンナンショウ

2012年2月25日

サトイモ科 テンナンショウ属
多年草。
同属のウラシマソウに似ているが、 葉は2枚でほぼ同大。 葉身は鳥足状に分裂する。
鞘(さや)状葉は花期にも枯れない。花期は2〜3月。
伊豆諸島(三宅(みやけ)島、御蔵(みくら)島、八丈島)に分布する。
球茎はシュウ酸カルシウムの針状結晶などをもち有毒だが、 デンプンなどの栄養素を多く含むため、 シュウ酸カルシウム の刺激を避けながら食用とする工夫がなされてきた。


シロダモ

2012年2月25日

クスノキ科 シロダモ属
常緑高木で、樹高は10〜15m。
葉は互生、大型で枝先に集まる。
縁は全縁。3主脈があり、葉裏はロウ質に覆われ緑白色で、 名前の由来になっている。
冬芽は大きく膨らみ、春の訪れとともに 黄褐色の絹毛をつけた若葉が垂れ下がる。
アオスジアゲハの食草


スイカズラ

2012年2月25日

スイカズラ科 スイカズラ属
常緑つる性木本。 別名のニンドウ(忍冬)のとおり、 冬も緑の葉をつけたまま、じっと寒さに耐えている。
冬の葉は鋸歯がなく、倒卵形で厚みがある。


センニンソウ

2012年2月25日

キンポウゲ科 センニンソウ属
半木本性の常緑ツル植物。有毒。
花は8月から9月に開き、4枚の花弁にみえる顎片は十字型に開く。
果実には白い毛があり、これを仙人のヒゲ、あるいは白髪に見立てたことが 和名の由来といわれる。


タネツケバナ

2012年2月25日

アブラナ科 タネツケバナ属
種籾を水につけ、苗代の準備をする頃に花が咲くことから、 この名があるという。 これは、陽だまりで見つけた早咲きの一株。
10月ごろ発芽し、ロゼットで越冬し、春に花を咲かせる。
似た仲間にタチタネツケバナ、オオバタネツケバナ、 ミチタネツケバナなどがある。 若芽はくせがなく、お浸しなどにできる。


タブノキ

2012年2月25日

クスノキ科 タブノキ属
常緑の高木。 樹皮は暗褐色で皮目が目立つ。
冬芽は卵形〜長卵形で紅褐色をした芽麟に包まれる。 混芽(葉芽+花芽)と葉芽があり、 混芽が開くと葉序と花序が伸展する。
アオスジアゲハの食草。


ツルグミ

2012年2月25日

グミ科 グミ属
常緑、つる性低木。
茎が細く、逆さ向きの枝を出して 他の樹木に寄りかかっていることが多い。
10〜11月、葉腋に数個の薄黄色花が束生する。 萼筒の外側に赤褐色の鱗状毛が密生する。
翌年4月に長楕円形の実が赤く熟す。


ツルマサキ

2012年2月25日

ニシキギ科 ニシキギ属
常緑つる性木本。
緑色の枝の各所から多数の気根をだして岩や樹木をよじ登る。
若木はキョウチクトウ科のテイカカズラとはよく似ている。 葉は革質で対生する。縁には低鋸歯がある。
古事記でアメノウズメの命が、天の岩屋戸の前で踊るときに 「天のツルマサキをかずらとして」 とあるのは、ツルマサキをさすという説もある。




テイカカズラ

2012年2月25日

キョウチクトウ科 テイカカズラ属
常緑でつる性の木本。
茎が長く伸び、付着根を出して木や岩を這い登る。
6月頃、枝先や上部の葉腋に集散花序をだし、直径2〜3cmの花を開く。 花は、はじめ白色、後に淡黄色となり、芳香がある。 果実が熟すと、中から長い綿毛をつけた 種子が出て、風に飛んでいく。
葉や茎を切ると白い乳液(有毒)がでる。
テイカカズラという名は、謡曲の「定家」に由来すると言われる。 式子内親王を慕う藤原定家が、皇女の亡き後、蔦葛(つたかずら)となって、 皇女の墓石にまつわりついたことから、 その蔦を定家葛と言うようになったということだ。


ニワトコ

2012年2月25日

スイカズラ科 ニワトコ属
落葉低木または小高木。
樹皮はコルク質で、枝には太い髄がある。 この髄が、顕微鏡観察の標本作成に利用される。
奇数羽状複葉が対生する。 春先に出る新芽を食用とすることもあるが、 青酸配糖体を含むため、大量に食べると下痢をする。 春に黄白色〜淡紫色の花が咲き、 夏に暗赤色の果実がなる。
花・枝・葉を民間薬として利用する。
小正月の魔よけに利用するところもある。
別名の接骨木(セッコツボク)の名は、枝や幹を煎じて水あめ状になったものを、 骨折の治療の際の湿布剤に用いたためといわれる。


ヒイラギ

2012年2月25日

モクセイ科 モクセイ属
常緑小高木。 和名の由来は、葉の縁の刺に触るとヒリヒリ痛む (古語:疼(ひひら)く・疼(ひいら)ぐ)ことから。 葉は対生し楕円形から卵状長楕円形、革質で光沢あり、 縁には先が鋭い刺となった鋭鋸歯がある。 老樹になると、葉は丸みをおびる。 雌雄異株。 花期は11-12月。花は芳香がある。果実は翌年6-7月に暗紫色に熟す。 節分の夜に飾る魔除けに、ヒイラギの枝と大豆の枝に鰯(いわし)の頭が 使われる。


ヒガンバナ

2012年2月25日

ヒガンバナ科 ヒガンバナ属
別名 マンジュシャゲ 多年草。
秋の彼岸ごろに赤い花を咲かせた株は、 花が終わった後、葉を伸ばす。 冬の間に光合成し、栄養を地下の鱗茎に蓄える。
春には地上部が枯れてしまう。


ヒサカキ

2012年2月25日

ツバキ科 ヒサカキ属
照葉樹林帯に広く生育する低木から亜高木。
様々な生育環境に対応でき、乾燥にも強い。 写真で、枝についている小さな粒が、これから咲く花のつぼみ。 花の匂いは強烈で、好みは人によって分かれる。
関東では榊として売られ、神棚に供えられる。


マユミ

2012年2月25日

ニシキギ科 ニシキギ属
落葉低木、または小高木。雌雄異株。
冬芽は水滴形で、緑色〜褐色。 葉痕は半円形で、維管束痕は弧状。 枝には4稜がある。
材質が強い上によくしなる為、 弓の材料として知られ、名前の由来になった。


ムラサキケマン

2012年2月25日

ケシ科キ ケマン属
日本各地に生育する越年草。
地下の塊茎から、昨年秋に芽を出した葉が冬を越し、 春の開花に備えている。
毒草。 ウスバシロチョウの食草。


モクレイシ

2012年3月24日

ニシキギ科 モクレイシ属
海岸地域の林の中に生える常緑樹。 分布が限られていて、神奈川県西部(大磯丘陵、渋沢丘陵) 伊豆半島、伊豆諸島などが知られている。 雌雄異株。 冬に実が熟すと、外側の果皮がはがれ落ちていく。


ヤツデ

2012年2月25日

ウコギ科 ヤツデ属
温暖な地域に生育する常緑低木。
葉が切れ込んでいるが、裂片は5〜9で奇数のことが多い。 冬に咲く花は少なく、豊富な蜜を求めて、虫が良く集まる。
写真のものは受粉が終わり、果実ができている。 果実は、晩春に黒く熟す。


ヤブニッケイ

2012年2月25日

クスノキ科 クスノキ属
別名ウスバヤブニッケイ、ナンジャモドキ。
常緑高木。
縁は全縁で、他のクスノキ科と同じように、3主脈が目立つ。 葉身は長楕円形あるいは卵形、深緑色で、表面にはつやが強い。 葉は揉むと芳香がある。
6月に咲く花の蕾が、早くもできていた。
アオスジアゲハの食草


イワガネゼンマイ

2012年2月25日

ホウラシダ科 イワガネゼンマイ属
林下の湿った場所に生える。




リョウメンシダ

2012年2月25日

オシダ科 カナワラビ属
葉の表と裏が同じように見えるため両面羊歯と呼ばれる。
杉の人工林の下に美しくリョウメンシダが、広がる。

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