湘南の森の植物です


ハナタデ

2011年9月8日

タデ科 イヌタデ属
別名 ヤブタデ
一年草
茎は細く、上方は分枝し高さ50センチメートル、毛はない。 葉は互生し、狭卵形で、先端は急に細くとがり、 基部はくさび形。中央部に黒斑があるものが多い。 両面に伏毛を散生し、質は薄く柔らかい。 托葉鞘は筒状で、ふちに長い毛がある。 花期は8〜10月。まばらな総状花序は細長く伸びる。 萼は5深裂し紅色。 痩果は3稜形、卵形で、黒く光沢がある。
イヌタデに似るが、葉は質が薄く、表面に伏毛があり、 花穂はまばらで花はやや大きい。
低山地の林縁などに生える。


ヒヨドリジョウゴ

2011年9月8日

ナス科 ナス属
多年生のツル植物
全草に柔らかな腺毛があり葉柄が他のものに絡みつく。 葉は変形が多く、下部の葉は深い切れ込みがある。 花は、まばらな集散花序となり、白色で花冠(かかん)は5裂し、 反転する。 果実は、液果(えきか)で約1センチくらい、球形で赤く熟す。
全草にソラニンを含むため、食べられない。 漢方では「白毛藤」という生薬として、解熱、解毒、利尿に用いる。 最近、抗腫瘍作用のある成分が含まれているということで 注目されているという。
和名は、鵯(ひよどり)が好んで食べるので、 鵯(ひよどり)上戸(じょうご)と名づけたといわれる。


カントウヨメナ

2011年9月8日

キク科 ヨメナ属
田の畦や川縁などの水辺や湿地に生え、地下茎を伸ばして殖える。 葉は卵状長楕円形で縁に粗い鋸歯があり、ユウガギクより厚く、 ヨメナより薄い。 花期は7〜10月。 頭花は直径3cm、舌状花は淡青紫色。そう果の冠毛はごく短い。
名の由来は関東地方に生えるヨメナの意味で、関東以北に生える。 西日本に生えるヨメナは、食用とする若芽がおいしが、 カントウヨメナは食べない。


カラタチバナ

2011年9月8日

ヤブコウジ科 ヤブコウジ属
別名 ヒャクリョウ
暖地の林内に生える常緑低木。
あまり枝分かれしない。 葉は互生し、披針形、縁に波状の鋸歯がある。 夏に、葉腋から花柄をだし、白い花を咲かせる。 果実は球形で、熟すと赤くなる。 実の数はマンリョウ比べ、ずっと少ない。
夏に咲いた花が今は青い実になっている。


キンミズヒキ

2011年9月8日

バラ科 キンミズヒキ属
細長い花序をタデ科のミズヒキにたとえたもの。 道端や、草地に生える多年草。 茎や葉に長毛が多い。 葉は奇数羽状複葉、葉の付け根に托葉がある。 花は5弁花で花穂に多数付く。 果実にはかぎ状棘があり、動物にひっつく。
紅白の花を咲かせるミズヒキはタデ科だが、こちらはバラ科。 黄色い花は美しいが、その後にできる果実は引っ付き虫で、 草刈には厄介者。
生薬名は龍牙草(りゅうげそう)又は、仙鶴草(せんかくそう)という。


クマノミズキ

2011年9月8日

ミズキ科 ミズキ属
落葉高木。 和名は三重県熊野地方に生育するミズキという意味。 また、ミズキは水分を多く含む木との意味。
葉は対生で、ミズキより幅が狭い。 表面は緑色で、やや光沢がある。 裏面は、白色を帯び、全面に毛がある。 花は若枝の先の散房花序に多数つき、薄いクリーム色。 花の時期には、蜜を求めて沢山の虫が来ている。
初夏に咲いた花が、この頃には黒い果実になっている。





 クズの花とウラギンシジミ幼虫

クズ

2011年9月8日

マメ科 クズ属
つる性多年生草本
葉は3出複葉、小葉は草質で幅広く、とても大きい。 花は秋に咲き、穂状花序に赤紫で甘い香りの豆の花を咲かせる。 果実は枝豆に似ていて、やや小型。
根には大量のデンプンが貯蔵されており、 これから食品の葛粉や漢方薬が作られる。 かつては、葉を家畜の飼料に、蔓は紐として使ったり、 葛布に織ったりと有用植物だった。 現在は世界の侵略的外来種ワースト100 (IUCN, 2000) 選定種の一つである。
秋の七草の一つ。
いろいろな虫がつき、 黒と白のはっきりした模様のオジロアシナガゾウムシ、 まん丸の形が可愛いマルカメムシ、 クズの葉に細かい虫食いをつくるクズノチビタマムシなどがいる。
コミスジ、ナナフシなどの食草でもある。
ウラギンシジミの幼虫はクズの花を食べる。
和名は、かつて大和国の国栖(くず)が 葛粉の産地であったことに由来する。


ママコノシリヌグイ

2011年9月8日

タデ科 イヌタデ属
別名 トゲソバ(棘蕎麦)
一年草。
茎はつる状に伸びてよく分枝する。 茎は赤みを帯び、四稜があり、逆向きの鋭い棘が並んでいる。 葉は互生し、三角形。托葉が茎を囲む。 葉柄と葉裏の脈上にも逆刺がある。 小さな花を頭状に密集し、花被(かひ)片は五枚で淡紅色。 痩果(そうか)は球形で黒色。
和名「継子の尻拭い」は、この草の棘だらけの茎や葉から、 憎い継子の尻をこの草で拭くという想像から来ている。 昔は草の葉をトイレットペーパーとしていたことを思うと、 恐ろしい名である。


ノハカタカラクサ

2011年9月8日

ツユクサ科 
別名:トキワツユクサ 南米原産の帰化植物、多年草。
園芸品種のシロフハカタカラクサが昭和初期に観賞用として導入され、 温暖地で逸出、野生化し、斑を消失したと考えられている。
温暖地では本種が増えすぎ、在来種を滅ぼす恐れが出て、 ボランティアに呼び掛けて抜き取り作業をしたところもある。


カラスウリ (虫こぶ)

2011年9月8日

ウリ科 カラスウリ属
別名:玉章(たまずさ)・ツチウリ・キツネノマクラ・ヤマウリ
つる性の多年草。朱色の果実と、夜間だけ開く花で知られる。 カラスウリの茎がふくれていることがある。 これは虫こぶで、カラスウリクキフクレフシといい、 中にウリウロコタマバエの幼虫がいる。 虫こぶの部分は食べると胡瓜の味といわれるが・・・。


ムクノキ

2011年9月8日

ニレ科 ムクノキ属
落葉高木、雌雄同株。 樹皮は淡灰褐色で、表面は平滑だが、老木では樹皮が剥がれてくる。 葉は長楕円形の単葉で互生、縁は先端まで鋸歯状、葉先は尾状に尖る。 葉の質は薄く、表面は細かい剛毛が生え、 植物の表面がケイ酸質の物質で覆われているため、 紙やすりのようにざらついている。
花は4-5月頃若葉と同時に開花。 果実は10月に成熟し、 黒紫色のものは非常に甘く、美味である。 ムクノキの果実はムクドリ、ヒヨドリ、オナガなどによく食べられ、 鳥たちの貴重な食料になると共に、 種子を散布してもらっている。
ムクノキの葉はヤスリとして 木地を磨くのに使われていた。 材は割れにくく、靱性が強く、 天秤棒や工具の柄などに利用。 枝は海苔そだにも利用していた。


モチノキ

2011年9月8日

モチノキ科 モチノキ属
別名 ホンモチ
常緑高木。沿海の山地に生える。 樹皮からとりもちをとるので、この名がある。 幹は灰褐色。 葉は互生で長楕円(ちょうだえん)形、質は厚く、全縁。 雌雄異株で4月、葉腋(ようえき)に黄緑色花を束生する。 晩秋に赤い果実をつける。
モチノキの果実は、特にヒヨドリ、カケス、シロハラに食される。 木の実が不作の年には冬になってやってくるヒヨドリの数は少なく、 豊作の年には多い。 木本の果実と鳥の共生関係は複雑だがその重要性が認識されている。
モチノキは萌芽力、耐陰性が強く、耐潮性、耐乾性、防火性にすぐれ、 大気汚染にも強い。 移植が容易で、刈り込みに適しているので生垣としても利用される。 材は狂いが少ないため、そろばん玉、数珠(じゅず)、玩具(がんぐ)、 版木などに用いる。


アキノワスレグサ

2011年9月8日

ユリ科 ワスレグサ属
花はノカンゾウに似る。日本では九州南部および南西諸島に自生する。 近縁種のヤブカンゾウは、身につけると物思いを忘れるという俗説から ワスレグサ(忘れ草)という別称があり、本種は秋に花が咲くことから アキノワスレグサと呼ばれる。
沖縄ではクワンソウとよんでいて、 食材として利用し、健康茶などにも加工されている。


ノシラン

2011年9月8日

ユリ科 ジャノヒゲ属
常緑多年草。 和名は葉の形が扁平なので熨斗(のし)、葉がランに似る。
海岸近くの明るい林内に自生する。 葉は長さ30-80a、厚く光沢がある。 花期7〜9月。 花茎は斜上し、扁平で狭い翼がある。 白色または淡黄色の花を総状、下向きに多数つける。 種子は、 緑色から晩秋〜初冬には光沢のある瑠璃色(コバルトブルー)に熟す。
東京都・千葉県などでは、絶滅危惧種に指定されている。


ヌスビトハギ

2011年9月8日

マメ科 ヌスビトハギ属
多年草、 ひっつき虫のひとつである。 茎は細くて硬く、株立ちになって立ち上がる。 葉は、細かい毛がある三出複葉で、頂小葉だけにはっきりした柄があり、 る。 花期は7-9月。総状花序で、まばらに小さくピンク色の花をつける。 果実は二節に分かれる節果で、 その間は大きくくびれ、サングラスのように見える。 果実の表面は触れるとざらつくが、これは細かな鉤が並んでいるためで、 これによって衣服などに良くくっついてくる。



オオアリドオシ

2011年9月8日

アカネ科 アリドオシ属
別名 ニセジュズネノキ
海岸や沿岸部の常緑広葉樹林に生える常緑低木。 葉は硬く、卵型で先端は棘のようにとがる。 枝先や葉の付け根に鋭い棘がある。 初夏に、先端が4裂した筒状の白い花が咲き、その後、赤い実になる。


サンゴジュ

2011年9月8日

スイカズラ科 ガマズミ属
常緑高木
葉は対生し、葉身は長楕円形、縁は全縁、あるいは波状の鋸歯がある。 質は厚く、表面は光沢があり、乾燥にも強い。 防火樹として庭木や生垣によく用いられる。 初夏に白い花を多数つけ、果実は初めは紅色、秋には藍黒色に熟す。
サンゴジュハムシによる食害が多く、 葉がほとんど食い荒らされていることが多い。 チャミノガの食樹でもある。
赤く熟した果実が美しく、 それをサンゴに例えて名付けられた。


シラヤマギク

2011年9月8日

キク科 シオン属
別名 ムコナ
山地や丘陵地に見られる多年草。 茎や葉に粗い毛が生えてざらざらしている。 根生葉は長い柄があり、卵状心形だが、花時には枯れる。 茎に付く葉には翼がある。 茎の先が枝分かれして、散房状の花序を形成する。 頭花は直径1.8〜2.4cm、舌状花は白く、数が少ない。 そう果には剛毛状の長い冠毛がある。


シロヨメナ

2011年9月8日

キク科 シオン属
山野に生える多年草。
葉は長楕円状披針形で先はとがり、基部はくさび形。 縁に大きな鋸歯がある。葉柄はほとんど無い。 葉はやや光沢がある。3行脈が目立つ。 頭花は中心に黄色の筒状花が多数あり、周りに白色の舌状花が並ぶ。 そう果には剛毛状の長い冠毛がある。
湘南の森にはよく見られる。


タブノキ

2011年9月8日

クスノキ科 タブノキ属
常緑の高木。 樹皮は暗褐色で皮目が目立つ。
頂芽は大きくて目立つ。若葉は赤みを帯び美しい。 葉は互生で枝先に集まる。
葉身は倒卵状長楕円形で先端が尖る。葉は両面無毛で光沢がある。裏面は灰白色。 縁は全縁。
タブノキの花は5月に、展葉に先だって咲く。 花は黄緑色、花の後にできる果実は直径約1cm、偏球形。 秋に黒く熟す。
線香は、スギの葉粉末をタブノキの樹皮で固めてつくっていた。 黄八丈の樺色はタブノキの皮を使い、田の泥で発色させている。 材は器具材、家具材、建築材、ベニヤ材、枕木などに用いられる。 また、古くから船材に適し、昔、朝鮮半島から日本に渡来した船は、 すべてタブノキの材で造られたという。
アオスジアゲハの食草。


トウネズミモチ

2011年9月8日

モクセイ科 イボタノキ属
中国中南部原産の常緑高木。 ネズミモチに似るが、葉はやや大きく、先は長くとがり、 透かしてみると側脈がはっきり見えるので区別できる。
花期はネズミモチより一ヶ月遅れで、7月頃に黄白色の花を多数咲かせる。 果実はネズミモチよりも球状に近い楕円(だえん)形で、 11月ころ紫黒色に熟す。
ネズミモチより樹勢が強く、緑化樹に利用されてきた。 近年、急速に日本各地に広がりだして、侵略的外来樹木としても 注意が必要である。
紫黒色に熟した果実は、女貞子(じょていし)という生薬で 強壮作用があるとされる。


ツリガネニンジン

2011年9月8日

キキョウ科 ツリガネニンジン属
山野に見られる多年草。 地下に、朝鮮人参にも例えられた大きな根がある。 茎の高さは、0.4〜1m。 ほとんど、分枝しない。 根生葉は長い柄がある円心形だが、花時には枯れている。 茎に付く葉はほとんど葉柄がなく、3〜4枚が輪生する。 薄紫色から白色で釣鐘型の花が、数段つく。 開花すると、雌しべにぴったり寄り添っていた5本の雄しべは 雌しべに生えている細かい毛に花粉を一時預ける。(雄性期) 花の奧にある蜜を吸いにきた昆虫に花粉をわたし、 その花粉が無くなったころ、雌しべの先端が3裂して、 昆虫から花粉を受け取る。(雌性期) 下向きの花から蜜を吸うことができるのは、ハナバチやセセリチョウなど。 若芽が山菜として珍重され、 根は生薬として利用されてきたが、 湘南の森には、とてもそれほどの量はない。


ヤブガラシ

2011年9月8日

ブドウ科 ヤブガラシ属
別名 ビンボウカズラ(貧乏葛) つる性の多年草。
和名は藪を覆って枯らしてしまうほどの生育の旺盛さから。 つるの長さは2 - 3m。 葉は5枚の小葉からなる鳥足状複葉が互生する。
花は散房状の集散花序につき6-8月ごろ徐々に開花する。 花のがくは退化し、薄緑色の花弁4枚と雄蕊が4本雌蕊が1本ある。 早朝に開花した花弁と雄蕊は、半日ほどで散ってしまい、 橙色の花盤(盤状の花托)が残る。 この花盤は蜜が豊富で、 蜂や蝶など様々な昆虫がよく集まる。 関東地方では、多くは3倍体で実をつけない。
漢名は「烏歛苺(ウレンボ)」で、利尿・解毒・鎮痛などに薬効のある生薬 として利用される。
マメコガネなどの食草である。



ヤマノイモ

2011年9月8日

ヤマノイモ科 ヤマノイモ属
別名 ヤマイモ(山芋)、ジネンジョ(自然生、自然薯)
つる性多年草。 雌雄異株のつる植物で、細長いハート形の葉が対生し、 7月から8月にかけて白い花を房状につける。 雌花序は垂れ下がり、基部の方から順次咲く。 雄花序は上に向かってまっすぐ伸び、 多数の花を付ける。
地下には一本の芋は、地上部の成長にしたがって縮小し、 秋には新たな一本の芋と置き換えられる。 果実には大きな三つの陵があり、中に種子を含んでいる。 種子のほかに、葉腋に発生するむかごや地下の根によって栄養生殖する。 芋、むかごが食べられる。
ヤマノイモから作る生薬は山薬(さんやく)といい、 強壮、強精薬として胃を丈夫にして、精力をつける効き目があるとされる。
オニドコロなどと共にダイミョウセセリの食草であり、 幼虫の巣づくりにも使われる。


ツルニンジン

2009年9月10日

キキョウ科 ツルニンジン属
別名 ジイソブ
林内に生える、つる性の多年草。
地下に塊根があり、朝鮮人参に似ていることから名がついた。
葉はツルの先のほうでは、数枚が集まってつく。 花は広釣鐘型で、先が浅く5裂する。 花冠の外側は白緑色、内側に紫褐色の斑がある。 雄しべは5本、雌しべの柱頭が大きく膨れて分かれている。 花と同じくらいの大きな刮ハができる。 茎などを傷つけると白い乳液が出る。


ヤブラン

2010年9月10日

2011年9月8日

ユリ科 ヤブラン属
温暖な地域に生育する常緑多年草。
林縁のような明るいところで、良く花をつける。 薄紫色の小さな花が数個ずつ固まって、花茎に多数付く。 花被片6個。雄しべ6個。 種子は球形で光沢がある黒色。 葉はシュンランに似ている。
作業地域では、笹刈りをしたあとに次々に顔を出し、 今は最も優勢な下草のひとつ。 永年、笹の下で耐えていたのか?


アカネ

2012年9月14日

2012年9月17日

アカネ科 アカネ属
つる性多年生植物。
路傍や林の縁などでよく見かけられる。 名前は「赤根」からで、根を煮出した汁は草木染に使われる。
四角い茎にはとげがある。 葉は4枚輪生に見えるが、本当の葉は2枚で対生し、2枚は托葉である。 夏から秋にかけて小さな花が咲き、晩秋に黒い実がつく。


ヒガンバナ

2009年9月21日

ヒガンバナ科 ヒガンバナ属
別名 マンジュシャゲ
田の畦や土手などに群生する多年草。
秋の彼岸ごろに赤い花が咲く。 花茎の先に5〜7個の花が咲く。 各花は花弁6枚と長く飛び出した雄しべ6本雌しべ1本からなる。 葉は、花が終わった晩秋に伸び始め、翌年の春に枯れる。
日本にあるヒガンバナは3倍体で種子ができないが、 中国には種子ができるヒガンバナがあるということだ。 古い時代に、中国から日本に持ってこられた植物と考えられている。
有毒植物で、田畑や墓地をネズミなどから守るために植えられたとの説もある。 鱗茎は有毒だが、飢饉のときの救荒食となったという。
土地によりさまざまな呼び名を持つ。 それだけ、人々の心にかかる花だったのだろう。 。


アキカラマツ

2011年9月24日

キンポウゲ科 カラマツソウ属
別名タカトウグサ(高遠草)
多年草
花がカラマツの短枝につく葉に似て、秋に咲くので名づけられた。 高さ1m位。
葉は、複数回3出複葉、小葉は円形〜楕円形で、色は白味を帯びた緑色。 茎の先の円錐花序に淡黄白色の花を多数つける。 花弁状の萼は3-4個あり早く落ちる。葯が黄色いので花序は遠くからでも よく目立つ。
長野県高遠町では、古くから高遠草(たかとうそう)という名前で 健胃薬として腹痛、下痢、食べ過ぎなどに用いられていた。


イヌトウバナ

2011年9月24日

シソ科 トウバナ属
多年草
山地の樹林下や林縁に生え、高さ20〜50p。
葉は卵形で長さ2〜5cm、5〜20mmの柄がある。 荒い鋸歯があり、裏面には明らかな腺点がある。 白色でやや淡紫色を帯びた唇形花をつける。 萼は緑色で開出毛が多い。花期は8〜10月。
名は、トウバナ【塔花】に似て非なることによる。


イノコズチ

2011年9月24日

ヒユ科 イノコズチ属
多年草
葉は対生。茎は節で枝分かれする。この節が猪の子の膝頭に似ているとして猪の子槌と名づけられた。
花期は8-9月で緑色の小花が穂状につき、下から上へ開花していく。 花後、果実は斜め下向きになる。熟すと人や動物について遠くまで運ばれる。


オニドコロ

2011年9月24日

ヤマノイモ科 ヤマノイモ属
つる性多年草
日本各地の山野に生える。 根茎はやや肥厚して硬く、ひげ根がある。
葉は互生、葉身は心臓形で全縁、無毛で先はとがる。 雌雄異株。雄花序は直立、雌花序は下垂する。 さく果は倒卵状楕円形で3翼がある。
ひげ根が多く、曲がった根茎を老人にたとえて野老(やろう)とよび、正月には橙(だいだい)、 昆布、串柿(くしがき)などとともに飾って長寿を祝った。 野老は海老(えび)に対比させたものといわれる。
根茎をよくあく抜きして食べたとも言われるが、細かく砕いて魚毒としても用いられた。
ダイミョウセセリの食草で巣作りにも使われる。


カナムグラ

2011年9月24日

クワ科 カナムグラ属
一年生つる草。 茎や葉柄には小さな逆向きの刺(とげ)がある。 葉は対生で長い柄があり、掌状で深く5〜7裂し、長さ、幅ともに5〜12センチメートル、 基部は心臓形で縁(へり)に整った鋸歯(きょし)がある。 葉面には短く堅い毛が生えている。
ビールの苦味付けに用いるホップと近縁の植物。 雌雄異株で花期は9〜10月。 雄花序は、葉の脇から花茎を出して、その先に淡黄色の小花を密生する。 雌花序は、ホップと同じような鱗片のある苞に包まれた雌花が、短い穂についてたれさがる。
風媒花で、秋の花粉症の原因植物の一つでも有る。
生薬として使われ、生薬名は葎草(りつそう)という。
キタテハの幼虫は葉を食べ、葉をつづってその中に潜んでいる。
名前の由来は、茎が強いことによる鉄「カナ」に、良く茂る雑草という意味の「ムグラ」を つけたとされる。


ギンミズヒキ

2011年9月24日

タデ科 ミズヒキ属
多年草
ミズヒキは 4 つある萼のうち上側の3つが赤く,下の一つが白いが, ギンミズヒキは 4 つの萼がすべて白い品種。 ミズヒキ同様に、山野の林のふちなどに多く生える。高さは40〜80cm。 葉は楕円形で長さ5〜15cm、先はとがる。 両面に毛があり、時に表面の中央に黒い斑紋がある。
花期は8〜10月。


クサギ

2011年9月24日

クマツヅラ科 クサギ属
山地、丘陵地、原野などに生え、高さ4〜8mになる落葉小高木。 葉に強い臭いがあるので、この名がついた。 暑い季節に咲く花は、白と赤紫で美しい。 果実は、萼だったところが赤くなり、その上に黒い果実がつく。 9月のこの季節には、果実に色がつき始めている。


ゲンノショウコ

2011年9月24日

フウロソウ科 フウロソウ属
別名 ミコシグサ
下痢止めの民間薬として有名で、飲むとすぐに効き目があるので 「現の証拠」であるという。
草原や道端に生育する多年草。 若葉には紫黒色の斑点がある。 花は花弁5枚、紅紫色または白色で、葯の先端が黒紫色。 葯が脱落してから、雌しべの先端が開く。 雄性先熟で自家受粉を防いでいる。
果実は乾燥すると裂開して、種子を跳ね飛ばし、 残ったさやが、お神輿を連想させるので、ミコシグサの別名がある。



シロダモ

2011年9月24日

クスノキ科 シロダモ属
別名 シロタブ、タマガヤ
常緑高木で、樹高は10〜15m。 幹は直立し、樹皮は紫褐色〜暗褐色。
葉は互生、大型で枝先に集まる。 縁は全縁。3主脈があり、葉裏はロウ質に覆われ緑白色で、 名前の由来になっている。 若葉は枝先に垂れ下がり、黄褐色の絹毛がある。
雌雄異株。花期は秋。 花は散形花序で、葉腋に黄褐色の小花を多数つける。 雌株では、花と同時に赤く熟した果実が見られる。 この写真では、赤くなる前の果実が見られる。
アオスジアゲハの食草






スイカズラ

2011年9月24日

スイカズラ科 スイカズラ属
別名 ニンドウ(忍冬)
常緑つる性木本
「スイカズラ」の名は「吸い葛」の意で、 花を口にくわえて甘い蜜を吸うことが行なわれたことに因む。 英語名はhoneysuckleも、同様の意味。 「ニンドウ」は冬も緑の葉をつけて、耐え忍ぶ事からこの名がついた。
若い枝は毛が密生し、葉は、木質のつるに対生する。 葉の形は変化が大きい。幼木の葉は丸みを帯びて柔らかい。 冬の葉は鋸歯がなく、倒卵形で厚みがある。 春には切れ込みが大きい葉もあり、葉の大きさ、厚みともに変化に富む。 花が咲いているときの個体は単純な倒卵形の葉となっている。 秋には、枝の先端近くの比較的小さな葉だけが残り、越冬する。
花は初夏に咲き、甘い香りがある。 花弁は二個ずつ並んで咲き、筒状で、先が上下2枚の唇状に分かれ上唇はさらに4裂する。 一日目の花は白いが二日目には黄色くなる。 白花と黄色花が同居することから金銀花の異名もある。
果実は径5-7mmの液果で秋に黒熟する。
蕾は、金銀花(きんぎんか)という生薬、秋から冬の間の茎葉は、忍冬(にんどう)という生薬で、 ともに抗菌作用や解熱作用があるとされる。漢方薬としても利用される。
昼間の主な訪花昆虫はハナバチ類。


チヂミザサ

2011年9月24日

イネ科 チヂミザサ属
一年草
葉の形がササに似ていて、やや縮んだようなしわがあることからこの名がある。 茎は枝分かれしながら地表を這い、多数の葉をつける。 葉の基部は葉鞘となって茎を抱く。 秋に立ち上がった茎の先端から穂が出て、その上半分位に、まばらに短い枝が出て、 小穂がつく。
雌しべの柱頭は白い羽毛状の毛が目立つ。 小穂からは長い紫色を帯びた毛が生えており、その表面が粘つく。 果実が熟すると、その毛で他物に張り付く。 いわゆるひっつき虫のひとつである。
ジャノメチョウ科のヒメウラナミジャノメやウラナミジャノメ やセセリチョウ科のキマダラセセリの食草。
エゴノキに虫こぶを造るエゴノネコアシアブラムシは、 夏から秋にかけて、イネ科のアシボソやチヂミザサを 宿主としている。


ノササゲ

2011年9月24日

マメ科 ノササゲ属
別名 キツネササゲ
林縁などに生えるつる性植物。 葉は三出複葉で互生する。 小葉は長卵形で、薄く、裏面が白っぽい。 葉の脇から出る総状花序に、淡黄色の蝶形花がつく。 豆果は倒披針形で、長さ2〜5cm、毛はない。 熟すと紫色になり、さやの中にある種子は黒紫色で、 どちらも美しい。


ハダカホオズキ

2011年9月24日

ナス科 ハダカホオズキ属
山地の林縁などに生える多年草。 茎は高さ60〜90cm。 葉は長楕円形、先はとがりる。 無毛。 夏に淡黄色の花を下向きに付ける。 花冠の先は5裂し、裂片はそりかえる。 秋には赤い実を沢山つけている。


ミズタマソウ

2011年9月24日

アカバナ科 ミズタマソウ属
多年草
細い地下茎を伸ばして繁殖する。高さ50cm程度。 茎には、下向きの毛があり、節は赤褐色を帯びる。 葉は対生し、長卵形、有柄で縁にまばらに浅い鋸歯がある。 8〜9月、茎頂と上部の葉腋に総状花序をつくり、白〜淡紅色の花を開く。萼片(がくへん)、 花弁はともに2枚、花弁は先端が2裂し、萼片より短い。 果実は球形で鉤状毛を密生し、引っ付き虫となる。
名前は、朝露のかかった種子を、水玉に見立てたもの。
  ミヤマツバメエダシャクやコスズメの食草


モクレイシ

2011年9月24日

ニシキギ科 モクレイシ属
海岸地域の林の中に生える常緑樹。 分布が限られていて、神奈川県西部(大磯丘陵、渋沢丘陵) 伊豆半島、伊豆諸島などが知られている。 特殊な分布には、地史が関係していると考えられている。 早春に緑白色の花が咲く。 雌雄異株。 実は冬に熟して中から、赤い仮種皮に包まれた種子が出てくる。
この季節には緑色の実と、来年咲く花芽の両方が見られる。 実の様子がツルレイシ(ニガウリ)に似ているので、 モク(木)レイシと名づけられたとのことだ。


ヤブタバコ

2011年9月24日

キク科 ガンクビソウ属
人家近くの藪や、林の縁などに多い、1〜2年草。
ヤブに良く生え、下部の葉がタバコに似ていることから名が付いたという。 太い茎は途中で成長が止まり、数本の長い横枝を放射状にだす。 根生葉は大きいが、花の頃には枯れている。 頭花は約1cm、横枝の脇に下向きに並んでつく。 筒状花のみで中心部に両性の筒状花、周辺部に雌性の筒状花が並ぶ。 筒状花の花冠と子房の間に腺毛があって、粘液がでている。 そう果も、べたべたし、動物にくっついて運ばれる。
民間薬として利用されてきた。

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