湘南の森の植物です


タネツケバナ

2009年4月10日

アブラナ科 タネツケバナ属
種籾を水につけ、苗代の準備をする頃に花が咲くことから、この名があるという。
水田、水辺の湿地などに多い高さ20〜30cmの二年草。
葉は互生し、奇数羽状複葉。 総状花序を出し、白色、花弁4枚の十字状花を10〜20個開く。 雄しべ6本のうち2本は短い。
10月ごろ発芽し、ロゼットで越冬し、春に花を咲かせる。 似た仲間にタチタネツケバナ、オオバタネツケバナ、 ミチタネツケバナなどがある。
若芽はくせがなく、お浸しなどにできる。


ウワミズザクラ

2010年4月24日

高さ20mほどになる落葉高木。 樹皮は暗紫褐色で、横に長い皮目がある。 前年枝は黒紫色で光沢がある。
葉は互生し、長さ8〜11cmの卵状長楕円形。 葉縁に細かく鋭い鋸歯がある。 表面は緑色で、裏面は淡緑色。手で触ると滑らかな感じがする。 葉の基部に蜜腺がある。
葉が開いてから、本年枝の先に総状花序を出し、白色5弁花を多数つける。 花は良い香りを漂わせながら、質感たっぷりに咲く。
果実は卵円形で、黄赤色から黒く熟す。 若い果実から作る杏仁香酒は独特の風味がある。
昔、この材の上に溝を彫り、鹿の骨や亀甲を焼いて 吉凶の占いに使ったという。
サクラ類はオオミズアオ、モンクロシャチホコなどの幼虫の食草となる。


アカネ

2012年4月28日

アカネ科 アカネ属
つる性多年生植物。
路傍や林の縁などでよく見られる。 名前は「赤根」からきている。根を煮出した汁は草木染に使われる。
四角い茎にはとげがある。 葉は4枚輪生に見えるが、本当の葉は2枚で対生し、2枚は托葉である。 夏から秋にかけて小さな花が咲き、晩秋に黒い実がつく。


アカメガシワ

2012年4月28日

トウダイグサ科 アカメガシワ属
落葉高木
雌雄異株。 典型的なパイオニア植物で、他の植物に先駆けて荒地に芽を出す。 新芽は赤い毛で覆われている。この毛をこすると、下から緑の葉が見えてくる。 葉の基部・縁に蜜腺があり、アリを呼んでいる。





参考:アケビコノハ幼虫

アケビ

2012年4月28日

アケビ科 アケビ属
蔓性落葉低木
茎が蔓になり、古くなると木質化する。
葉は5枚の小葉が掌状につく複葉で、互生する。 花は4 - 5月に咲き、雌花と雄花が同じ株につく。 写真で色が濃いほうが雌花、バナナ状のものが下がって見えるのが雄花。
果実は秋に紫色に甘く熟し、食べられる。 果皮や新芽を食料とするほか、蔓を工芸品に、種を油の原料とする。
茎が生薬「木通」の原料になる。
アケビコノハの食草。


イタドリ

2012年4月28日

タデ科 タデ属
別名 スカンポ。   雌雄異株。
東アジア原産で、世界的に侵略的外来種として問題視されている。
夏から秋に花が咲き、多くの昆虫が集まる。 若い茎は柔らかく、山菜として食べられる。 生薬「虎杖根(こじょうこん)」の原料となる。 若葉を揉んで出血した所に当てると多少の止血作用があり、痛みも和らぐとされる。 これが「イタドリ」という和名の由来でもある。


ウラシマソウ

2012年4月28日

サトイモ科 テンナンショウ属
宿根性の多年草。 地下に球茎があり、葉は通常1枚で鳥足状複葉をつける。 肉穂花序は葉の下につき大型の仏炎苞に包まれる。 花序の先端の付属体は釣り糸状に長く伸長し、 これを浦島太郎の釣り竿の糸に見立てたのが和名の起源とされる。 性転換する植物として、知られる。


オオアリドオシ

2012年4月28日

アカネ科 アリドオシ属
別名 ニセジュズネノキ
海岸や沿岸部の常緑広葉樹林に生える常緑低木。 葉は硬く、卵型で先端は棘のようにとがる。 枝先や葉の付け根に鋭い棘がある。 昨年の夏に咲いてできた実が、まだ残っている。


オオイヌノフグリ

2012年4月28日

ゴマノハグサ科 クワガタソウ属
越年草。
路傍や畑の畦道などに見られる雑草。 ヨーロッパ原産の帰化植物。 最初に定着が確認されたのは1887年の東京であるが、現在は全国に広がっている。 早春に咲く青い花は小さいながらも、人目を引く。






参考 ジャコウアゲハ成虫

オオバウマノスズクサ

2012年4月28日

ウマノスズクサ科 ウマノスズクサ属
つる性木本。
茎、葉、萼の外面は有毛。 茎や葉に臭気がある。 葉は独特の特徴ある形をしている。
日当たりがよいところで、ある程度大きな株になると花をつける。 写真のものはまだ蕾だが、まもなく黄色に紫褐色の筋が入った花が開く。
ウマノスズクサは漢方薬の成分にもなるが、 有毒成分を含む。 ジャコウアゲハはウマノスズクサ属を食草とし、その毒を体内に貯めて、 実を守っている。
いくつかの県では絶滅危惧種に指定されている植物である。


オドリコソウ

2012年4月28日

シソ科 オドリコソウ属
多年草。
野山や野原、半日陰になるような道路法面に群生する。 葉は対生し、縁は粗い鋸歯があり、葉柄がある。 花期は4〜6月で、唇形の白色またはピンク色の花をつける。 花のつき方が、笠をかぶった踊り子達が並んだ姿に似る。


オニシバリ

2012年4月28日

ジンチョウゲ科 ジンチョウゲ属
別名 ナツボウズ
林下に生える落葉小低木。 冬に咲いた花が実を結んでいる。 まもなく赤く熟すのだろう。 雌雄異株なので、これは雌株ということ。


オニタビラコ

2012年4月28日

キク科 オニタビラコ属
鬼は大形の意味。 世界中に広く分布している越年草。 道端や庭の隅などに良く生える。
根生葉はロゼットを形成する。葉は倒披針形で羽状に深裂する。 全体に粗い毛がある。 春から夏かけて長い花茎を立ち上げ、 先に黄色の頭花を散房状につける。 頭花は舌状花のみ。
果実は痩果で、冠毛は白色。(コオニタビラコ、ヤブタビラコは冠毛が無い)


カキドオシ

2012年4月28日

シソ科 カキドオシ属
別名 カントリソウ(癇取草) つる性多年草。茎ははじめ直立し、後に倒れて地上を長く這い、 節から根を出して繁殖する。 つるが垣根の下を越えていくことから、この名がついたという。 葉は対生し、長い柄がある腎円形。葉をもむと良い香りがする。 春、葉の脇に薄紫色の唇形花を開く。 生薬に利用される。


キブシ

2012年4月28日

キブシ科 キブシ属
別名キフジ
林縁や谷沿いに多い先駆植物的な木本で、成長が早い。
雌雄異株。早春に咲いた花が早くも実を結んで大きくなってきた。 実にタンニンが多く、染料として使われる。
和名は、果実を染料の原料である五倍子(ふし)の代用として 使ったことによる。
アカスジキンカメムシの幼虫の食草。


キュウリグサ

2012年4月28日

ムラサキ科 キュウリグサ属
和名は、葉をもむとキュウリのようなにおいがすることに由来する。 春早くから咲き始め、次第に背が高くなる。 花序の先端が巻いていて、下から小さな青い花を咲か せながらゼンマイを伸ばしていく。
良く似た花に、ハナイバナがあるが、花が着く位置が違う。 史前帰化植物のひとつ。


キランソウ

2012年4月28日

シソ科 キランソウ属
別名 ジゴクノカマノフタ(地獄の釜の蓋)
多年草。日当たりのよい山野に生える。 冬期にもロゼットを広げ、花を咲かせていたが、 春本番となり、勢いよく葉を広げ、我が世を謳歌するように咲き誇っている。 園芸植物のアジュガは同じ仲間。
民間薬として、広い用途に用いられた。


クサイチゴ

2012年4月28日

バラ科 キイチゴ属
落葉小低木。 陽のよく当たる林床や伐採跡地に繁茂する。 地下茎を長く横に這わせて、所々に新芽を出して増える。
  木の仲間に入るが、丈は低く高さ40cm程度。 葉は奇数羽状複葉。 茎や枝、葉には軟毛が密生し、腺毛や棘がまばらにある。
  春、短い枝の先に真っ白な花を大きく咲かせる。 果実は初夏に赤く熟し、食べられる。


クロマツ

2012年4月28日

マツ科 マツ属
別名 オマツ(雄松)
葉は二枚でワンセットになってとても短い枝についている。 厚く、亀甲状に割れ目が入った灰黒色の樹皮は名前の由来となっている。 汚染と塩害に強く、街路樹や防潮林に使われる。
写真で新芽の先端に赤く突き出て見えるのが雌花、新芽の根元で房状になっているのが雄花。 雌花が受粉すると、翌々年の秋に松かさが熟して種子を飛ばす。
近年、マツザイセンチュウにより、松枯れが広がっている。


コウヤボウキ

2012年4月28日

キク科 コウヤボウキ属
山林の日当たりのよいところ、乾燥した林内によく見られる。 草本のようだが、落葉低木に分類される。
一年目の茎には葉が互生する。 花は一年目の枝の先に着き、秋に咲く。 二年目の枝には、葉が数枚ずつ固まってつき、 秋に枯れる。
高野山で茎を束ねて箒の材料としたのでこの名がある。 正月の飾りなどにもされた。


コクサギ

2012年4月28日

ミカン科 コクサギ属
落葉小低木。
葉のつき方が独特で、コクサギ型葉序といわれる。 葉に独特の臭気があり、新緑のころは特によく臭う。 葉は柔らかく、光沢がある。 雌株と雄株があり、すでに花が終わって、雌株に小さな実がついていた。
生薬の原料になる。
オナガアゲハ、カラスアゲハの幼虫の食草


サンショウ

2012年4月28日

ミカン科 サンショウ属
落葉低木。
雌雄異株、枝には鋭い棘が対生する。 葉は互生、奇数羽状複葉。 葉に油点があり、特有の香りを出す。 写真では、黄緑色の花が咲いている。
木の芽、花山椒、実山椒、粉山椒、辛皮など、さまざまに利用されてきた。
アゲハ類の食草。


シャガ

2012年4月28日

アヤメ科 アヤメ属
人里近くの林下に群生する多年草。 古い時代に中国からもたらされたといわれる。 3倍体植物で種子ができず、根茎からほふく枝をのばして増える。 葉は常緑で、つやがある。 一枚の葉が折りたたまれてくっついたようになっている。 花は朝開いて、夕方しぼむ。


シロバナハンショウヅル

2012年4月28日

キンポウゲ科 センニンソウ属
落葉つる植物。
葉は1回3出複葉、対生。小葉は卵型で先が三裂する。 4〜5月、葉腋(ようえき)から伸びた柄の先に、 幅広い鐘形の黄白色花を一つずつ下向きに開く。 林縁に生える。
関東以西の本州の太平洋側、四国、九州に分布するが、 いくつかの都道府県で絶滅危惧種に指定されている。


スイバ

2012年4月28日

タデ科 ギシギシ属
多年草
根生葉には、長い柄があり長楕円形で、葉の基部はやじり型をしている。 茎の上部の葉は茎を抱く。 雌雄異株で、雄花と雌花は初夏に別の株につく。
生薬の原料となる。
スイバは、柔らかい芽を食用にするが、 シュウ酸を含むので、多食するのは良くない。


タブノキ

2012年4月28日

クスノキ科 タブノキ属
常緑の高木。
球形の冬芽は混芽(葉芽+花芽)で、写真は、 混芽が開いて葉序と花序が伸展したところ。 これから黄緑色の花がひらく。
線香、染料、器具材、家具材、船材などに利用されてきた。
アオスジアゲハの食草。


タンポポ

2012年4月28日

キク科 タンポポ属
多年草
一つの花と思われているのは、舌状花と呼ばれる小さな花の集まり (これは、キク科植物共通の特徴である)。 舌状花1つは5枚の花びらが合着している。
写真のものは、総苞片が反り返っていないので、在来種のように見える。


ツクバトリカブト

2012年4月28日

キンポウゲ科 トリカブト属
多年草
春の若葉をニリンソウと間違えて摘み、 中毒する例が、報道される。 ここまで育てば、間違えられることはない。
花は美しく、漢方薬の成分としても使われている。


ツツジ

2012年4月28日

ツツジ科 ツツジ属
以前から植えられていたツツジだが、 今まで花を見たことがなかった。 昨年、覆いかぶさっていた蔓を取り除いたら、 今年はきれいに咲いてくれた。


トウダイグサ

2012年4月28日

トウダイグサ科 トウダイグサ属
葉の付き方が燈明台の飾りに似ていることから名付けられた。
日当たりが良い畑や道端などにはえる二年草。 立ち上がった茎の途中にへら状の葉が互生する。 茎の頂に5枚の葉が輪生し、その葉の腋から 放射状に枝を出し、先端に杯状花序ができる。 葉や茎に傷をつけると白い汁が出てくる。
有毒植物。


ナルコユリ

2012年4月28日

ユリ科 アマドコロ属
多年草。 地下茎から伸びた茎が弓なりになり、葉が二列に互生する。 葉腋から数個の筒状の花を垂れる。 その様子を鳴子に例えた名前です。 よく似たアマドコロとの見分けは、茎が角張っているのがアマドコロ、 ナルコユリは茎が丸い。 笹刈をした跡地に、一枚の葉を出してから数年、 今はこのような姿になった。


ニョイスミレ

2012年4月28日

スミレ科 スミレ属
別名 ツボスミレ
多年草。
開花が遅いスミレ。 湿り気のあるところを好む。 白い小さな花の唇弁に紫をおびた筋が入る。


ニリンソウ

2012年4月28日

キンポウゲ科 イチリンソウ属
多年草。 茎葉は3枚輪生し、表面に白斑があり、柄がない。 茎の先に白い花を、ふつう2個開く。 花はタンパク質にとんだ花粉を提供し、甲虫を集める。


ニワトコ

2012年4月28日

スイカズラ科 ニワトコ属
落葉低木または小高木。 奇数羽状複葉が対生する。 春先に咲いた花が実を結んだ。


ヌルデ

2012年4月28日

ウルシ科ヌルデ属
落葉高木。
ヌルデの名は、かつて幹を傷つけて白い汁を採り塗料 として使ったことに由来するとされる。
雌雄異株。奇数羽状複葉で葉軸には翼がある。 葉にアブラムシがつくと虫こぶができる。 この虫こぶは、 染料や生薬として利用されてきた。


ハリギリ

2012年4月28日

ウコギ科 ハリギリ属
落葉高木
葉がキリに似ていて、刺があるのでハリギリの名がある。 葉は円形で、大きく、葉柄も長い。 新芽は山菜に、果実は塩の代わりに、材は下駄や器具材に使われた。


ヒトリシズカ

2012年4月28日

センリョウ科 センリョウ属
多年草。 花が咲き終わり、葉が大きく伸びてきている。 芽を出したばかりのときとは、ずいぶん雰囲気が変わった。


フタリシズカ

2012年4月28日

センリョウ科 センリョウ属
山野に見られる多年草。ヒトリシズカよりやや大型。 これから、花茎を伸ばし、花を咲かせる。


ホウチャクソウ

2012年4月28日

ユリ科 チゴユリ属
草丈は30?60cmになり葉は互生、茎は上部で分かれる。 茎の先端に数個の花が垂れ下がる。 若芽に有毒成分を含む。
宝鐸とは、寺院の軒先に下がる飾りのこと。


ミズキ

2012年4月28日

ミズキ科 ミズキ属
葉は互生。 初夏に咲く花の蕾ができている。 材が白くてきれいなのでこけしに使われる。 小正月には、まゆ玉をミズキの枝に刺して、 神棚などに飾る風習もあった。 名前は、春に枝を切ると水が滴り落ちることからきたという。


ムクノキ

2012年4月28日

ニレ科 ムクノキ属
落葉高木
高木の上に咲いている花が見えた。 若葉の展葉と同時に淡緑色の小さな雄花が新しい枝の下部に つく。雌花は新しい枝の上部の葉腋に1〜2個つく。 雌花が受粉すると実ができ、秋に黒く熟す。




モクレイシ

2012年4月28日

ニシキギ科 モクレイシ属
他地域では珍しいとされるモクレイシだが、湘南平ではしばしば見うけられる。 早春に咲いていた花のあとには小さな実ができ、昨年の実も残っていた。 雌雄異株なので、これは雌株。


ヤエムグラ

2012年4月28日

アカネ科 ヤエムグラ属
越年草。 4稜(りょう)があり、稜に生える下向きの刺(とげ)で他のものに絡みつく。 葉は6〜8枚が輪生しているように見えるが、 本当の葉は腋から枝を出す2枚で、ほかは托葉 である。


ヤツデ

2012年4月28日

ウコギ科 ヤツデ属
冬に花を咲かせ、て虫を呼んでいたヤツデに 立派な実がついた。 重みでしなだれている。 これから、鳥がついばんでくれるのを待っている。


ヤブタビラコ

2012年4月28日

キク科 ヤブタビラコ属
越年草。
コオニタビラコに似ているが、やや軟毛が多く、茎が斜上する。 頭花は直径8mmと小さいが、舌状花が20個程度と沢山ある。 花後、頭花は下向きに曲がり、ころころした感じになる。 種子に冠毛がない。


ヤマブキ

2012年4月28日

バラ科 ヤマブキ属
落葉低木。
明るい黄色の花が目立つ。 一重のものは花弁が5枚で、花の後に5つに分かれた種子ができる。


ベニシダ

2012年4月28日

オシダ科 オシダ属
草原や明るい林内などによく見られる。 常緑性、2回羽状複葉。 若葉が赤いので、芽出しのころは見分けやすい。 また若い胞子嚢も赤い。

    索引

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